stara dnevnik

はてなダイアリーで書いていたものを移行しました

自分語りその2

入院している親父に会いに行った。カーテンの向こうにいた親父は恐ろしく痩せてしまっていたし記憶の中の父親よりもずっと老けていたけれど、それでも余命半年未満と宣告されたとは思えないくらいに元気だった。ただ母親の癌といわれてからの進行の早さを覚えているだけに複雑な思いがした。2日会いに行ってそれぞれ2時間くらい親父と話をした。最近の事、家の事、思い出話、etc... 話していると何も変わらない。親父は相変わらず知識豊かで話題豊富で面白い人だった。この人がモテてきたのは当然だなあと思った。


親父は私達姉弟を捨てたと思っていて、それを詫びたことが意外だった。私も弟も、こちら側から手放したと思っていた。まあ、確かに、昔のような仲睦まじい家族にはもうなれないけれど、それでも私と弟は幸せだし、親父もそこで幸せだったからそれでいいんじゃないかな。


痩せた親父は昔の面影はあまりなかったけれど、ベッドに腰掛けた時の背中が記憶にある親父の背中そのものだった。そのときの気持ちをなんて表現すればいいのだろう?なくしたものがまだそこにあったという気づき。気持ち。不思議な感覚で、悲しいのではなく、ただ涙が出そうになった。夕暮れを見ながら話した時間を私はいつまでも思い出すに違いない。